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X(旧Twitter)に投稿した画像を自然言語のプロンプトで加工編集することができる、AI新機能が登場!
な~んて、手放しで喜んでいられないのです!

だって、絵描きにとってはとても許しがたい、ある重大な問題を抱えているからです。

投稿者以外の誰もが自由に画像を加工編集できる

この記事を書いている時点で分かっていることは、画像を投稿した本人だけでなく、知らない誰かが勝手に加工することも、加工済み画像をそのままポストすることも、ダウンロードすることも自由に出来てしまう仕様になっています。

早速、この仕様の問題点と対策方法について考えてみたいと思います。

やり方はとてもシンプル。例えばパソコンのブラウザで見ている場合は画像の右下にあるアイコンにマウスを重ねるだけ。

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マウスオーバーで「画像を編集」という表示が現れるので、それをクリックします。
すると画像の下にプロンプトを入力する欄が出てくるので、そこに自然言語でプロンプトを書き込んでいきます。

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たとえば、適当に「髪は黒系の色に変えろ 目はジト目に変えろ」と入力して上向きの矢印(↑)をクリックしたら、ものの数秒で2種類の加工画像が追加されました。

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画像の上側には自分の投稿用として画像を利用するための「ポストの作成」や、元画像のある投稿に対して返信するための「返信に追加」が表示されていています。

そればかりか、プロンプト入力欄の右側には加工済み画像をダウンロードするボタン()や、シェア用リンクURLをクリップボードに取得するボタン()まで備わっています。

これらの作業は一切、投稿主の許可を得ることなく誰でも簡単に出来てしまうのですから恐ろしい。

そうなんです。知らない間に誰かが自分の作品を勝手に改変してても、それを止めさせる方法がないのです。

しかも、改変画像を自作だとか言いながら勝手にポストしてたり、改変画像をダウンロードして配布されたり、なんてことがいつ起きてもおかしくないのだから・・・。

言わずもがなですが、ただでさえトレパク問題に厳しい視線を向ける絵描き界隈では、このXの新しい画像編集機能は「単に作品の改ざんと拡散を助長するだけ」という主張も見られるようになりまして、もはや「治安崩壊」とまで言われる始末です。

作品の改変に対抗するための救世主が現れる

困惑している最中に朗報も飛び込んできました。
なんと、このAI新機能の仕様を逆手に取って「画像を編集」がそもそも表示されないようにするための手段が有志によって公開されました。

Xは投稿される画像ファイルの形式がJPEG(.jpg)、PNG(.png)、GIF(.gif)のいずれかになっていると自動的に「画像を編集」の対象として扱うようになっているのですけど、GIFアニメーションの形式では「画像を編集」が表示されなくなる仕様らしいのです。

このGIF化ツールはJavaScriptで行っているらしく、外部ネットワークに送信されることもなくブラウザ単体で完結してしまいます。

画像変換が成功するとGIFアニメーションとしての属性が与えられるので、このGIFファイルを投稿することで「画像を編集」の対象から外される、という仕組み。とても秀逸なアイデアですね。

いつまで公開し続けてくれるか分かりませんが、ブックマークしておくと良さそうです。 変換後のファイルサイズが大きすぎるとXへの投稿に失敗してしまうことがあります。
その場合は変換する前の画像データを調整して、変換後の画像データのサイズが最適なサイズになるようにします。

例えばJPEG形式なら、ドローイングソフトからエクスポートする際に圧縮率を高く(品質を低く)設定すればファイルサイズを小さくすることができ、それが変換後のデータ削減にも直結します。

あるいは、キャンバスのピクセル画素数を減らして画像サイズそのものを小さくしてしまった方がいいかもしれません。

Xには、パソコンからアップロードするなら15MB以下、モバイルなら5MB以下という制約があるので、変換後の画像データがうまく範囲内に収まるように調整しましょう。

ここまで手を尽くしても、悪意ある人は画像データを手作業で保存してAI加工サイトなどを駆使するでしょうから根本解決にはなりにくいのですけど、とりあえずX上で即席の改変が出来ないようにするには有効だと思います。

対抗するより利用してしまう手もある

そもそもXさんは、どうしてこんな仕様にしてしまったのでしょう?

コメントの返信には返信可能な相手の範囲がオプションで指定できるようになっているのに、投稿画像の改変は誰にでも許可する仕様って、やっぱりオカシイですよね。

たとえ規約で投稿者の権利を侵害するような使い方を禁じていても、物理的な制約がない限りトラブルの事後的な負担を強いられることに変わりありませんし。

せめて投稿主が投稿画像の編集権限を自分だけに制限したり、編集を許可する相手の範囲を指定できるようにすべきだと思います。

と、不利益な面ばかり取り上げて居心地の悪い思いをしているよりも、もっと生産的で善意に満たされた取り組みとして積極活用する、という発想もあります。

たとえば線画だけを投稿して、より魅力的な配色や装飾でイラストとしての完成度を高めてもらって、コメント返信に編集した画像をポストしてもらうとか。

ルールに基づいて編集された画像なら、それを一つの改変作品として認めてあげて、創作コミュニティとしての一体感を共有できるようにしていくのもいいかもしれないですね。

このようにして投稿自体を画像編集コンペのようなイベントに変えてしまって、元の線画を完成度の高い魅力的なイラストに変えてくれた人をピックアップして、せっかくだから、投稿主の所感や評価を添えて入選作品をブログに紹介してあげるとかもアリかな、って思います。

そうすれば、改ざんという悪意に目くじらを立てるよりも、少しは精神衛生的に報われるような気がします。

それでは最後になりますが、記事中の説明で登場したウチの子(宮代 六花=みやしろ りっか)を紹介して締めくくりたいと思います。どうぞ、よろしくね。

セーラー服