フリーレン(ローアングル)

商業作品を題材にした派生作品を二次創作とかファンアートなどと言って、絵描き界隈では原作にない世界観やストーリーを描いてソーシャルメディアに作品を投稿することが珍しくありません。

そこには常に著作権を巡る様々な衝突や議論が生まれていて、法律的にはグレーゾーンも多い微妙な分野ではありますけど、絵描きであれば誰でも接点を持つことになるだろうと思います。

今まで二次創作やファンアートには関心がなかった自分も今回は初めて本腰を入れてファンアートに取り組んでみることになったので、その制作過程の中で気付いたことや心境などを残しておこうと思います。

ミーム画像になったフリーレン

絵を描く人なら誰もが共感してしまいそうな苦手エピソードというものが世の中には数え切れないほどあります。

このアングルやポーズはどうしても攻略できない、難しすぎる、誰か描き方を教えて、みたいな投稿を目にする機会は結構ありますけど、そのトピックがミーム化するという現象はなかなかお目にかかれません。

このたび出会ったミームは「葬送のフリーレン」の主人公、フリーレンのキャラクターを斜め下から見上げる構図でした。

このトピックの出処は英語圏のソーシャルメディアでRedditのポストです。



frieren_meme

一見して簡単に描けそうな気もするのですが、実際に自分でも取り組んでみたら、顎の下の描写と顔のパーツのバランスを取るのが難しくて、線画の段階ですぐに破綻してしまうのです。

何度も何度も描き直して、何度も挫けて絶望しかけて、ようやく80%くらい納得できる段階に到達して、あることにハッと気付きました。

顎のラインは描かない方が良い!

頭部の構造や遠近感、眼球の位置関係、色々と自分なりに分析しながら線画を描いては消して、描いては消して・・・。
やり直しが無限にできることはデジタルイラストのメリットではあるのですけど、流石に頭が沸騰しそうになります。

ポカーンと眺めながら、ふと、「陰影と色彩」を別々に描いていくグリザイユ画法というものを思い出して、顎のラインを描かずに顎の影になる部分をグレーで先に描いてみることにしましたら、これが意外にも最適解でした。

これで再び筆が進み始めて、少しずつ描き進めることが出来ました。

ようやく作業の終盤というところで線画のレイヤーに色を塗り込んでしまっていることに気づいてしまって、泣く泣くレイヤーを統合して厚塗りに変更するというハプニングはありましたけど・・・。

奥が深いファンアートの世界

イラストの描き方、いわゆる技法という面では題材がフリーレンでなくても難しいことには変わりないのですけど、たまたまフリーレンがミーム化されているので、同じ土俵で取り組んでみたくなるというのが絵描きの性分です。

ところが、今までファンアートという分野に興味がなくて、そもそも創作物の世界観は原作者のモノという意識が強かったので不用意に立ち入ることをしませんでした。

とにかく、描くからには原作者に敬意を持って、フリーレンというキャラクターや葬送のフリーレンの世界観について知っておかなければ。

ここから悪戦苦闘の始まりです。

フリーレンというキャラクターのファンアート自体はよく見かけます。でも、いざフリーレンを描こうと思ったら、わからないことだらけ。

まず、年齢は・・・1000年以上生きている、スゴイ!

魔法オタクで(∩ ´◡`)⊃━☆゚.*・。

とにかく描くために必要な情報は公式資料を見るのが手っ取り早いのですが、キャラクターデザインについてはあまり情報が公開されていないようでして・・・。

一応、特設サイトにもお邪魔してみましたが、二次創作に役立つようなキャラクター設定の情報は載っていないようです。

差し当たり良くわからなかったのが髪型と耳の装飾でした。

frieren_design

創作物には必ず作者さんの意図が作り込まれているはずなので、その意図やディテールを踏みにじってはいけないというのがファンアートの作法だと思っています。

分からないところは原作者やファンアートのプロにお尋ねするのが近道なのかもしれませんが、思いつきで描こうとする一絵描きに時間を割いてくれる奇特な人はいませんので、ネット検索総当りで自力解決を図るしか・・・。

あとは世界観やキャラクターの設定などから想像力を補いつつ、最も自然と考えられる構造や正解を導き出すしかありません。

これがファンアートの難しさなのだと、ちょっとした奥深さに触れた気がします。

自分にできる精一杯の描画

ある程度の正解や落とし所を自分なりに見つけ出しながら、やっと完成しました。

フリーレン_ローアングル

もし間違っているところがあれば「ここ違うよ」と、優しく教えて下さいな。

あと余談になるのですけど、MediBang Paint から Krita に乗り換えて作業効率も描画クオリティも格段に上がりました。

特に Krita でお気に入りのブラシは「t) Shapes Fill」と「Sketch Wires」かな。

brush_ShapesFill_SketchWires

このブラシは、ベタ塗りに近い形でブラシの軌跡をなぞるような塗り潰しができるんです。なので、囲い込みツールやマスクレイヤーを使わなくても、即席で塗り潰していきたい場所にピンポイントでベタ塗りできて便利。

GIFアニメーションで「Scetch Wires」となっているのは誤りで、正しくは「Sketch Wires」ですね。ゴメンナサイ

Krita_brush (crop) (resize)

Krita に興味のある方は、ぜひ使ってみてください。
無償ソフト(フリーウェア)なので、誰でも気軽に導入できます。