本当はものすごく気持ちが近づいているのに、お互いがそのことに気づいてないとか、いくらでもお互いの想いを伝えるチャンスがあるのに、絶妙なすれ違いばかりが重なってしまうとか。
そういう青春群像を第三者視点で描く文学作品っていうのは結末が気になって、ページをめくる手が途中でなかなか止まらなくなってしまう。
たとえ「彼(彼女)らにハッピーエンドは無いな」と、うすうす気づいていたとしても。

読者を引きつける作品や読ませる力のある作品には心地よい「もどかしさ」がある。
登場人物の成り行きをただ見守ることしかできないという読者の苛立ちが、第三者視点で語られる地の文に共鳴すると、その「もどかしさ」はいよいよ頂点に達する。

もしかしたら、そういう感覚に全身が支配されることを無意識的に快感と認識してしまうのか。
(いや、感情移入の間違いだろ)
だとすると、その反動がやがて禁断症状となってしまうかもしれない!
最近、ますます息を呑むような作品を求めて図書館の虫になりつつある自分が怖い。
というか、実はこの手の作品は食傷気味だったりする。

そこで、だ。
もっと「朗らかで無害なすれ違い」を描いた作品はないのかな、と思い始めた。
ラノベでも4コマ漫画でも、なんでもいい。誰か、良さ気なものあったら教えて。
それこそ、まんがタイムきららキャラットでも少女漫画でも・・・。
って、ここまでくると、もはや捨て身?(自分で描いた方が早いとか)
隠れんぼ?
使ったもの: 0.5mmシャープペン(2B)、カレンダーの裏紙
編集ソフト: PictBear、PhotoFiltre
描画時間: 失念 

最近、なんとなく買ってしまった文庫本「晴追町には、ひまりさんがいる。 」(著:野村美月)が不思議な感じの物語で、気に入ってしまった。
登場人物の春近(ハルチカ)という大学生(男)が小さい頃から人妻に恋してしまうという設定には若干の不安を覚えてしまったけど、読み始めたらキャラ立ても展開もドン引きするようなものじゃなくて安心した。

むしろ素朴で風変わりな世界観なんだけど、なんというか、ベッドで寝袋に昭和の湯たんぽを入れて寝るような緩さ加減があっておもしろい。(よくわからん喩えだ)
もっと野村美月さんの作品を色々読んでみたくなった。

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