そこはかとなくゆかし

絵を描いたり、曲を作ったり、ときどき知恵と思考の無駄遣いをしてみたり。
創作と表現と素敵な発想をゆるりと綴るブログ。

タグ:Inkscape

Inkscape122

無料なのに Adobe Illustrator と比べても遜色ないくらい強力で、日々進化を続ける Inkscape。
ベクター画像の編集はもうこれで十分事足りてしまうので、今でも愛用しています。

でも、ときどき編集している最中にオブジェクトのプロパティをいろいろいじっていると、突然ご機嫌斜めになって強制終了してしまうことがあるんですね。

初めてこの強制終了に直面したときは、今まで編集したものをまた最初から作り直さなきゃならないのかと思って焦りました。

完全な状態で復元可能な場合も

タイミング的な問題もありますが、場合によっては強制終了する直前の状態が自動保存(バックアップ)されている可能性もあるので試してほしいことがあります。

Windows10 (x64)の場合はユーザーフォルダのルートに強制終了の直前まで行っていた状態が自動保存されるようになっているので、まずはファイルエクスプローラーでユーザーフォルダを開いてみましょう。

もしそこに Inkscape のアイコンで保存されたSVGファイルがあれば、強制終了される直前の状態で復元できる可能性があります。

最悪でも、いくつかの作業を遡った時点の状態が復元できるはずです。

ユーザーフォルダの簡単な開き方

まず、キーボードの[Windows]+[R](同時押し)で「ファイル名を指定して実行」ダイアログを呼び出します。

次に「名前(O):」の欄に「.」(ドット/ピリオド)を入力して[OK]ボタンをクリックまたはEnterキーを押下します。
winRdot

すると、ファイルエクスプローラーが起動してユーザーフォルダが表示されますので、そこに Inkscape のアイコンが表示されているか確認しましょう。

手元のパソコンでは強制終了が今までに2回も起きてしまって、その2回とも直前の状態が自動保存されていました。
userfolder

左上の赤枠(ユーザーフォルダ名の表示)が「user」になっていて紛らわしいのですが、ここは使っている人のユーザー名によって異なるので気にしないでください。

手元のパソコンでは保存されていたバックアップファイルが残念ながら直前の状態のものではなかったのですが、それでもその少し前の状態までは無事に復元できましたので、一からやり直すよりは遥かに少ない手数で編集作業を継続できました。

このユーザーフォルダに保存されるバックアップファイルは Inkscape が強制終了されるときに緊急避難的に保存されるものなので、ファイルを開いたらすぐにファイル名を付けて作業用フォルダに保存しておきましょう。

また、強制終了が繰り返されるたびにこの自動保存されたバックアップファイルの数が増えていきますので、定期的に不要になったファイルを削除しておくのが良いと思います。

ファイルが見つからない場合

今回の例はUserディレクトリの「user」に自動保存されている前提で説明しましたが、この場所にInkscapeのsvgファイルがひとつも保存されていないときは、諦める前に別のフォルダを確認してみましょう。

もしかしたらInkscapeの自動保存の設定で別の場所がバックアップ用の保存先フォルダに指定されている可能性があります。

まず、Inkscapeのメニューで「編集(E)」から[環境設定(P)」を開きます。キーボードからは[Shift]+[Ctrl]+[P]のショートカットでも開くことができます。
edit-preference

環境設定のダイアログを開いたら左側のメニューで「入出力」の見出しを展開して「自動保存」を選択します。そのまま右側に目を移して「自動保存先ディレクトリ(D):」を見てみましょう。
preference-autosave

テキストボックスの幅が狭いので文字列の一部しか表示されていないと思いますが、実際には次のように長いディレクトリの文字列が入っています。
自動保存先ディレクトリ(D)

C:\Users\user\AppData\Local\Microsoft\Windows\INetCache\inkscape

自動保存先がこのようになっているときは、このディレクトリのフォルダを開けば自動保存されたバックアップファイルが無事に見つかると思います。

赤文字の「user」の部分はお使いのパソコンのユーザー名が表示されます。

自動保存先のフォルダを開く(環境設定)

「自動保存先ディレクトリ(D):」のテキストボックスにマウスを当ててキャレットが点滅する状態(テキストボックスがフォーカスされた状態)にします。そのまま文字列を全て選択([Ctrl]+[A])して青地に反転したらコピー([Ctrl]+[C])してください。
all-copy

次に、[Windows]+[R]で「ファイル名を指定して実行」のダイアログを開いて「名前(O):」のテキストボックスに貼り付け([Ctrl]+[V])たら、[OK]ボタンをクリックまたはEnterキーを押下します。
file-execute

ファイルエクスプローラーが開いて次のように保存ファイルが表示されていれば復元できるはずです。
svg-backup

複数のファイルが保存されているときは更新日時が一番新しいファイルを開けば、直前の作業データがある程度復旧できると思います。

どうでしょうか。無事に復旧できましたか?続きを読む

もしかしたら解決できずに頭を抱えている人がいるかもしれないので参考用に載せておきます。

Inkscapeのサイドバーにはツールボックス(ダイアログ)をドッキングすることができますが、いろいろといじっているうちに使いづらい状態になってしまうことがあります。

たとえば、ツールボックスをサイドバーから取り出して独立したフロートウィンドウにしたり、またサイドバーに戻したりしているうちにツールボックスの並びが縦長に展開してしまって、下の画像のようにスクロールバー(縦長の青色棒)が表示される状態になってしまったり。

inkscape_sidebar1

これを、下の画像のように選択されていないツールボックスは下に折りたたんで閉じて、選択されたツールボックスだけ表示される状態にしたい(戻したい)という場合。

inkscape_sidebar2

実は、サイドバーの仕組みを理解できれば誰でも解決できます。

もともとツールボックスのダイアログにはデフォルトの表示領域があって、その大きさのパネルのようなものがあると思ってください。
そのパネルを縦にたくさん並べていくと、やがて画面のサイズに収まらなくなってしまいます。
収まらなかった部分はスクロールバーで移動して表示しなければなりません。

このパネルを縦に並べるのではなくて、レイヤーのようにツールボックスのダイヤログの上に別のダイヤログを重ねてあげると、スクロールしなくてもいいサイズにすっぽり収まります。

手順は、それぞれのツールボックスの名前が表示されているタイトルバーの部分をドラッグして、重ねたいツールボックスのダイアログ上でドロップします。

ドラッグしているときに表示領域が水色に変わるので、その四角形がダイアログの上で一回り小さくフロートしているような状態に変化してからドロップするのがコツです。

サイドバーの枠のどこか、あるいは隣合ったダイアログの側面に張り付く状態では、うまく重なりません。

感覚としてはツールボックスのダイアログの上側に別のダイアログをドロップして重ねていくイメージなのですが、実際はドロップしたダイアログのタイトルバーが下側に向かって並んでいきます。

あとは動画を参考にして、うまく重なるように挑戦してみてください。



Inkscapeはベクター形式の画像を扱える無償の図形描画ソフトです。
趣としてはAdobe Illustratorに似ていると思います。

Inkscape(フリーウェア)を配布しているページ

本家:https://inkscape.org/ja/
窓の杜:https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/inkscape/

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