sound-0

REAPERを使っている人が経験するかもしれない困った症状のひとつに「音声デバイスの沈黙」があります。音声デバイスと言っても、Reaperの設定画面で日本語表記が「音声デバイス」になっているだけの話で、一般的に見聞きするサウンドデバイスと同じ意味です。

なにか別の作業をしていたとか離席していたとかで、しばらくREAPERを操作せずに放置していたら、いつの間にか音が出なくなってしまうことがあるんですよね。
ひとたびこの症状が現れると、REAPERの再生ボタンや仮想MIDI鍵盤をいくら操作しても全く反応してくれません。

当たり前ですが、REAPERを終了してから再びREAPERを立ち上げてプロジェクトファイルを開けば正常な状態に戻ります。
でも、もっと簡単に沈黙から復帰させる方法はないのでしょうか。

そんな悩みを抱えて、やっとこのページにたどり着いたというあなたへ。もしかしたらこの方法で解決するかもしれません。

MIDI設定の確認

REAPERのバージョンは「v6.14 (32bit版)」で解説しますが、前後のバージョンでも通用すると思います。
OS は Windows10 Home (64ビット版)、バージョンは 22H2 です。

せっかくこの記事を見てくださっても再現性がなければ全く意味がありませんので、とりあえず適当なトラックの音源(FXに読み込んだVSTiプラグイン)を鳴らす準備が整っていて、トラックコントロールパネルの入力モードが次のように設定してあるという前提で説明を進めます。

入力:MIDI(D)>全MIDI入力(&A)>全チャンネル(A)

sound-1

これで、USB-MIDIキーボードや仮想MIDI鍵盤など、どのようなMIDI信号も全て受信できるような状態になります。

画面上のマウス操作でMIDI信号を送れるように、とりあえず仮想MDI鍵盤も表示しておきます。

sound-2

仮想MIDI鍵盤の表示/非表示ボタンが見当たらない時は [Alt] + [B] のショートカットキー操作でも仮想MIDI鍵盤を表示することができます。

次に、トラックの録音待機状態が有効(赤色)になっていることを確認してください。(クリックで交互に有効/無効を切替え)

sound-3

この状態でFXに設定してある音源がMIDI入力信号に同期して発音し、音量インジケーターが赤く反応します。
当たり前ですが、何も音源が設定されていなければ音量インジケーターは何も反応しません。
必ずシンセサイザーか何か適当な音源を設定してください。

ミキサーの方も同じようにMIDI入力信号に同期して音量インジケーターが反応します。

sound-4

さて、この設定でしばらく何も操作せずに放置していたら、いつのまにか仮想MIDI鍵盤を操作しても音が鳴らなくなってしまった(音声デバイスの沈黙)という想定で復帰の手順に進みます。

おそらく、この状況では外部に物理的なUSB-MIDIキーボードが接続されていても反応しません。

復帰の手順はシンプル

しばらくREAPERを放置していて、いざ作業を再開しようと思ったら、なぜか「音が鳴らない」「MIDI信号に同期して音量インジケーターが振れない」「再生ボタンをクリックしても反応しない」という状態に陥って貴方は困り果てました。

「さて、どうしましょう」というところから、復帰手順に入りたいと思います。

それではまず、ウィンドウの右上にある音声デバイスの状態表示(文字の上)をクリックします。

sound-5

「REAPER 環境設定」というダイアログが表示されたら、設定内容には何も変更を加えずに、そのまま「OK(O)」ボタンをクリックします。

sound-6

作業は以上です。

音声デバイスが復帰したかどうかは、一応、音量ミキサーの画面で確認することができます。

Reaperが沈黙している間はアプリケーションのアイコンが消えていて、この作業で無事に復帰すればアイコンが再び現れて音が聴こえるようになります。

音量ミキサーは通知領域のスピーカーアイコンを右クリックして「音量ミキサーを開く(M)」をクリックすれば表示できます。

Reaper復帰

Reaperのアイコンの下に表示されている文字列は実行中のReaperが現在開いているファイルの名称(ウィンドウのタイトルバーが表示している内容と同じ)ですので気にしないでください。

試しに仮想MIDI鍵盤の上で適当な鍵盤をクリックしてみてください。
どうでしょうか。音声デバイスが無事に復帰して音が鳴るようになりましたでしょうか。

なぜ、このような現象に見舞われるのか原因はよくわからないのですが、たとえば音声デバイスを使用する別のソフトを立ち上げて作業したり、YouTube動画を何時間も見ていたり、有線式ヘッドホンからBluetoothイヤホンに切り替えたりというようなデバイスの使用状況に関わるイベントを検知すると、REAPERから音声デバイスが開放されてしまうという仕様(?)なのかもしれません。